「スタンフォード式 最高の睡眠」を読んでみました。
2017/12/20
”歯科と睡眠”と言えば、「睡眠時無呼吸症候群」の話で関係があり、私も関心があります。
睡眠は、人生の3分の1~4分の1の時を占める、とても大切な話。
自分の睡眠自体の改善のために手に取りました。
歯医者的には、睡眠時無呼吸症候群は「ガン・脳卒中・心筋梗塞」の3大疾病に続く、
第4の疾病とも言われるぐらいで、睡眠を軽く見ると、万病のもとになるようです。
歯医者なりに感じたところをお伝えしてみます。
(著者は日本人の先生ですが…スタンフォード式というところが歯がゆいところです。)
睡眠のカギは「90分の黄金法則」!
「睡眠とは最強の味方であり、敵に回すと最悪な恐ろしい相手」である。
と、著者は最初におっしゃっています。
たしかに眠いと何も手につかないし、「あっ!」って、危ない瞬間を感じたこともあるんじゃないでしょうか?
院長
その他にも…
- 睡眠の質は、眠りはじめの90分できまる。
- 人生の3分の1の時間が、残りの3分の2を決める。
大げさにも聞こえますが、確かに人生の1/3~1/4は寝ていますよね。
最高の90分をを得るためのカギは、「体温」と「脳」と「スイッチ」だそうです。
睡眠が不足すると「睡眠負債」の状態にあり、脳から「寝だめするぞ!」とサインが出る。
そして、「睡眠負債」は寿命を縮め、統計的にも死亡率が1.3倍高く、糖尿病、肥満、高血圧、うつ病・不安障害、などの発症が高まります。
私たちも、体調不良や病気の時に、熟睡できらたら調子良くなるので、睡眠不足での体調悪化も何となくわかりますよね。
院長
さらに睡眠負債は返すのが難しく、統計的に寝だめでは解決できない!
つまり、睡眠の問題を「時間で解決すること」は難しい。
だから、睡眠の質、とくに最初の90分間のノンレム睡眠が一番深く眠るため、
この最初の90分の睡眠をいかに深くするか?これがとても重要。
現代社会で、どうしても睡眠時間を十分に確保できないなら、
よりベターな睡眠の質を確保すること。
つまり最初の90分間の一番深い睡眠の質を高めることが重要だそうです。
睡眠時間じゃなくて、睡眠の質を大切に。
「なぜ人は人生の3分の1も寝るのか?」
睡眠は「脳」と直結しており、睡眠中に5つのミッションをこなしているそうです。
①「脳」と「体」に休息を与える。
②「記憶」を整理して、定着させる。
③「ホルモンバランス」を調整する。
④「免疫力」をあげて病気を遠ざける。
⑤「脳の老廃物」をとる。
これは、ますます睡眠をおろそかにできませんね。
院長
睡眠障害として…「睡眠時無呼吸症候群」
「致死率40%」なのに身近な睡眠障害として「睡眠時無呼吸症候群」があり、欧米人は、肥満による気道の圧迫が大きな要因だけど、
日本人の場合は痩せていても睡眠時無呼吸症候群になります。
理由は、アジア人は顔が平たく、下アゴが奥まり、気道がもともと狭いので、無呼吸になりやすいそうです。
これこそが歯科医として、子どもの矯正で、アゴの発育、かみ合わせを良くし、下アゴが奥まらないようにしようと小児矯正を頑張っている理由!
院長
入眠から最初の90分が黄金になる3つのメリット
①寝ているだけで「自律神経」が整う。
②「成長ホルモン」が分泌される。
③「脳のコンディション」が良くなる。
このような黄金の90分を確保する「2つのスイッチ」を手に入れてほしい。
それは、「体温」と「脳」に眠りのスイッチがある。
体温は、深部体温と皮膚体温(手足などの表面)の体温差を小さくする。
脳は、興奮した状態では体温も下がりにくいので、脳のスイッチを切るために、暗くて、静かで落ち着いた部屋で寝るようにする。
体温差?を小さくするんですね。わたくし・・・初耳でした。
院長
スタンフォード式 最高の睡眠法!
体温は、皮膚温度を上げて、熱放散すると、深部体温が下がり、入眠しやすくなるそうです。
そのために次の3つがポイントのようです。
3つの「体温スイッチ」
①就寝90分前の入浴。深部体温を入浴で一時的に上げる。
深部体温は上がった分だけ下がるので、その体温の急降下を利用して入眠する。
だから、すぐに寝るときは「シャワー」が良い。
深部体温が上がらないようにしておく。(上がると眠りにくい)
②時間がないならシャワーだが、それよりも足湯が効果的。
足湯で足の結構が良くして熱放散すれば、深部体温が下がる。
③「室温コンディショニング」…良い寝具よりも、室温を整えるのが重要。
快適な室温。高すぎると必要以上に汗をかいてしまい、入眠後は自然と体温が下がるので、発汗による熱放散があると、体温が下がりすぎて風邪をひく。
温度が高いと湿度も高いことが多く、湿度が高いと発汗しなくなり、熱放散がなく、体温が下がらず眠りが障害される。
温度は何度とは言いにくいが、暑すぎず、湿度が高すぎないようにタイマーなどを利用して風邪ひかないように調整する。
「脳スイッチ」は…
❝ 基本寝る前は何も考えないこと。”
単調、退屈な状況を寝室に作るようにして、退屈だと眠くなる性質を利用する。
これは、他の本とかでも言われてますよね。
院長
熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略!
睡眠と覚醒(目覚め)は表裏一体。
覚醒のスイッチもしっかりとおさないといけない。
「不眠症は朝から始まる」と言われるぐらい、目覚めがとても大切。
覚醒のスイッチは2つ「光」と「体温」だ。
①光の刺激は脳の活性化に影響を与える。
夜の豆電球程度の明かりが、肥満や代謝異常のリスクを増やすと言われるぐらいなので、しっかりと暗くして休み、朝はしっかりと「朝の光」を浴びる。
②体温は、覚醒時には、しっかりと体温をあげてスイッチをオンにする。
うん、うん。
院長
※スタンフォード式覚醒戦略
①アラームは2つの時間でセットする。
起きる時間が7時としたら、6時40分と7時の2つのアラームをセットし、覚醒に余白を設ける。
1回目のアラームはごく微音で、短くセットする。
最初のアラームが鳴った時ノンレム睡眠(深い睡眠サイクル)なら、悪い目覚めをスルーでき、レム睡眠(浅い睡眠)で起きられる確率が約1.5倍になる。
②眠りへの誘惑物質を断捨離する!
ベッドからでたら、天気に関わらず「朝の光」を浴びる。
③「裸足朝活」で覚醒ステージをあげる。
床にじかに触れることで脳を活性化させ、表面の皮膚温度を下げ、深部体温との温度差を広げる(入眠の逆)
④「ハンドウオッシュ」メソッドで覚醒。
脳を目覚めさせるために、手を冷たい水で洗う。
朝風呂は体温をあげると次に急降下するので、朝はシャワー程度にする。
⑤「咀嚼力」で眠りと記憶を強化する。
朝食には体内時計のリセット効果と肥満防止効果がある。
⑥とにかく「汗だく」を避ける。
体温が上がりすぎないように。
体温は上がると下がるので、下がると眠気がやってくる。
目覚ましは何となく掛けていましたが…ちゃんと睡眠サイクルとの兼ね合いで理屈があるんですね。
ぜひ、やってみようと思います。
確かに、目覚めの良い朝と、そうでない朝がありますよね。
院長
まとめ
これまでも、睡眠に関する書籍を読んだことはありましたが、体温については初耳でした…
入眠する時間に合わせて、入浴時間、方法を調整し、体温の上がる、下がるを管理しないといけませんね。
院長
□ 睡眠の問題を時間で解決することは難しい。質を良くすることが大切。
□ 睡眠の質とは、最初の90分間の睡眠をいかに深くするか?が重要。
□ 睡眠障害には、「睡眠時無呼吸症候群」がある。
□ 黄金の90分のためには、「体温」と「脳」のスイッチがある。
□ 体温スイッチは、
〇就寝90分前に入浴で体温をあげておく。
〇入眠まで時間がないなら、シャワーか足湯。
〇室温調節が大切。暑すぎず。湿度が高すぎず。
□ 脳スイッチは、寝る前は何も考えないこと!
□ 睡眠と覚醒(目覚め)は表裏一体。覚醒もとても大切。
□ 覚醒スイッチは、「光」と「体温」の2つ。
〇「光」は、しっかりと暗くして休み、「朝の光」を浴びて覚醒。
〇「体温」は、体温が上がるように。汗だくで熱くなると、体温が上がったのちに下がるので注意。